特別養護老人ホーム悠々園は、鶴川の街並みを見下ろすように、小高い丘の上に建っています。小田急線鶴川駅から歩くと(徒歩10分ぐらい)、軽い登山気分を味わえますし、健康のための運動にもなりそうです。
もちろん、駅からバスで登ることもできます。春の明るい光が降り注ぐ、気持ちの良い朝だったこともあり、この日、私は歩いて悠々園を訪ねることにしました。
最も近道となる坂路の階段を、一歩一歩、真っすぐ上に登っていると、都会の喧騒から逃れて田舎の山道に分け入ったような気がして、心が落ち着きます。ふと空を見上げたときの太陽光のまぶしさが、これほど心地よいと感じたのも久しぶりです。
理事長の陶山さんに温かく迎えていただき、悠々園としての取り組みや介護の未来について話しました。
山崎町の複合施設に平成30年度に建つ特別養護老人ホームの話から、今年4月にスタートする介護予防・日常生活支援事業が開始されるにあたって、町田市と取り組んでいる「まちいきヘルパー」やアクティブシニア事業、そして外国人介護士の受け入れに関連してベトナムに行ってきた話まで。
時代に合わせて取り組んでいかねばならない課題は山積していて、その一つひとつを、悠々園として、または自分たちごととして考えている姿勢が伝わってきました。
陶山さんの明るい性格に魅了されていると、そろそろ時間ですよと言わんばかりにドアがノックされ、施設見学の案内をしてくださる施設サービス課長の橋本さんがやってきました。
橋本さんには以前にも一度、施設を案内していただいたことがあり、今回は2度目の訪問ということで、さらに詳しくお話を伺いたいとお伝えしたところ、突然、「誰とは言えませんが、実は昨日、湘南ケアカレッジの卒業生さんが面接に来てくれて、採用させてもらうことになったのですよ」と教えてくれました。
昨年の12月ごろに卒業されたとのことで、誰だろうと想像を膨らませつつ、ケアカレの卒業生さんたちが施設に溢れてゆく、明るい未来を夢想してしまいました。
1階のデイサービスから、職員さんたちの明るい声が聞こえてきました。この日は春祭りが行われていて、イベントのひとつであるストラックアウトが行われていました。
9つに仕切られた的に向けてボールを投じ、何個の的を落とすことができるかというゲームです。車いすに乗りながら投げ、3つの的が射貫かれると、周りの利用者さんたちも拍手喝采です。どのような景品が出るのだろうなんて、私まで童心に戻ってしまいます。
デイルームに置いてある、カジノテーブルやビリヤード台を見逃しませんでした。カジノテーブルについては、山口県にある有名なデイサービス「夢のみずうみ村」に見学に行ったときに取り入れたそうです。
ビリヤード台はやや小さいサイズでしたが、本物と同じラシャ(下地の布)が綺麗に敷かれています。私が高齢になったときには、おそらくカジノテーブルとビリヤード台が置いてあるデイサービスに通うと思います(笑)。
デイルームを使って、午後からは毎日のようにボランティアさんによる各種イベントが開催されているそうです。書道や囲碁将棋、ダンス、茶道、俳句など、利用者さんのあらゆるニーズに応えられそうなぐらい、たくさんのボランティアさんが活躍されています。
そんな心強い味方に対して敬意を表するために、廊下にはボランティアさんたちの写真が飾られていました。ボランティアさんたちは嬉しいと思います。この写真を飾るアイデアは海外に視察に行ったときに取り入れたものだそうです。
エレベーターで2、3階に上がると、特養の利用者さんたちの居室やリビングがあります。悠々園は平成15年度に建てられた施設であり、当時の従来型は、多床室と呼ばれる1部屋に4人の利用者さんが暮しているタイプの居室が7割、残り3割が個室となります。
施設の真ん中が吹き抜けによってくり抜かれたようになっており、そのため光が中からと外から、四方八方から入ってくることで、どこにいても明るさがあります。
実は湘南ケアカレッジも教室への光の入れ方には気を配っています。それは太陽光の量によって、教室が自然な明るさになるだけではなく、そこにいる先生方や生徒さんたちの気持ちも明るくする効果があると信じているからです。
もちろん、春の陽気に誘われてか、リビングに集まっている悠々園の利用者さんたちの表情も明るかったです。
居室の入口の扉に暖簾(のれん)のような布が掛けられていて、居室の中から光が透けて見えるので、「これは何ですか?」と尋ねると、「扉に小さい窓が開いていて、外からそのまま見えると気になるらしく、プライバシーの保護のためにつけているみたいです。めくると中は見えるので、こちらとしても安心ですけどね」と橋本さんは答えてくれました。
最後に、悠々園で求めている人物像について尋ねてみました。難しい質問ですねと前置きをしながらも、「明るく、元気な人ですかね。それから前向きな人」と答えてくれました。
他の仕事でも多かれ少なかれ必要ですが、介護の仕事においては特に求められる要素だと思います。悠々園の職員さんたちは平均年齢が若いのが特徴で、中途採用の方も多く、最近では男性も増えてきているそうです。
施設を見学させてもらい、話を聞いていると、様々なバックグラウンドを持った人たちが働くことができ、門戸が広い印象を受けました。
あらゆる方向から日の光が入ってくる施設に象徴されるように、様々な光を持ったスタッフさんが入ってきて、利用者さんたちの生活を明るく照らしているのでしょう。
施設・事業所名称 | 社会福祉法人 悠々会 特別養護老人ホーム 悠々園 |
サービス形態 | 特別養護老人ホーム |
勤務場所 | 東京都町田市能ヶ谷4-30-1 |
最寄り駅・アクセス | 小田急線鶴川駅下車 徒歩12分 バス停 悠々園前から徒歩1分 |
募集職種 | 介護員 |
雇用形態 | 正社員 |
仕事内容 |
特別養護老人ホームにおける、ご利用者さんの生活全般に関わる仕事です。光が多く入る明るい印象の建物の施設です。 |
給与 |
基本給138,000円~165,500円 、特殊業務手当13,800円~16,550円、 有資格者手当5,000円(介護福祉士)、 年末年始手当3,000円/日、夜勤手当8,000円/回 |
勤務時間 | 6:30~15:30、8:30~17:30、11:30~20:30、 17:15~翌9:15 |
休日 |
4週8休、夏期・冬期休暇合計6日、年間116日 |
資格 | 初任者研修修了者以上 |
ボーナス | 年2回支給(合計4カ月) |
夜勤 | 月平均4回 |
交通費 | 実費上限30,000円/月 |
社会保険 | 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険 |
車通勤 | 可 |
昇給 | 前年度実績 0~2,500円/月(人事考課による) |
見学 | OK |
その他 |
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