「何歳くらいの人が働いていますか?」
「男性の介護士って、少ないですか?」
「長く続けられる仕事だと聞きました。本当ですか?」
初任者研修を受講している生徒さんからよく耳にする、介護職員の年齢についての質問です。私が仕事探しに同行して施設を見学する際にも、多くの生徒さんが採用担当者さんにその事業所で働いている職員さんの年齢層や男女比を質問しています。
自分と同じ年齢層の人も活躍しているのかな?という不安があるのでしょう。そこで、実際の介護職の年齢層や男女比などを、データも交えながら説明していきます。
介護職員(施設等)の男女比(正規・非正規別)について
上のグラフは、施設等で働く介護職員の男女比を正規職員(正社員、常勤職員)、非正規職員(パート・アルバイト)別に表しています。正規職員の場合、7割近くが女性、男性は3割ほどなのに対し、非正規職員の場合では、9割近くが女性、男性は1割ほどです。
あくまで日本全国対象のグラフですので、介護仕事百景に掲載している施設では、正規職員の半数近くが男性という施設も聞きますし、施設ごとに違いもあります。
サービスごとで分けると、施設等に含まれるデイサービスは“女性の園”のイメージがあります。デイサービスで男性職員をちらほら見かけることもありますが、やはり特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホームなどの方が男性職員は多いと思います。
私が働いていた特別養護老人ホームでも、同じユニットで働いていた職員は、5人中2人が男性で女性が3名でした。ちなみに、特別養護老人ホームなどの施設のご利用者さんは、8割以上が女性です。
まれに女性のご利用者さんから、「入浴や排せつ介助は女性の職員さんに手伝ってほしい」とお願いされることがありますが、それ以外は特に男性だから女性だからといった性別によって、介護職員の業務区分けはありません。
働いていた時に、「男性職員さん良いな~」と思ったことと言えば、私が介助しても頑として口を開けてくれなかった女性のご利用者さんが、男性の職員さんにバトンタッチした瞬間、にっこりととろけそうな笑顔になり美味しそうに食事を食べ始めたことくらいでしょうか(笑)。
逆に男性のご利用者さんを入浴にうまく誘えず、部屋に立てこもらせてしまって男性職員さんが困っていた時は、しれっとお茶を持って部屋に入り、「今日は暑いですね~」と話しながら、「お風呂でも入ってさっぱりしましょうよ」と誘うと、まんざらでもない顔で祖父ほどの年齢のご利用者さんが、お風呂まで付いてきてくれることもありました。
前者の食事のご利用者さんは、孫ほどの年齢の私よりも、可愛がって育てた息子を思い出すような職員が傍にいてくれる方が嬉しかったのだと思いますし、後者の入浴のご利用者さんは、いわゆる職人気質の方だったので、息子ほどの年齢の男性に入浴に誘われるよりも、女性が声をかける方が気乗りしてくれたのだと思います。
このように、同性の方が上手くいくことも、逆に異性だから上手くいくこともあり、場面ごとに協力し合って働く方がご利用者さんも気持ちよく過ごせるので、性別も年齢もさまざまな職員さんがいるのは、職場としても利点だと思います。(影山)
後編に続く