介護職のシフトと休日ー土日は休めるの?

「介護の仕事をすると、土日は休めないって本当ですか?」

「シフト制の場合は、1週間どのような勤務スケジュールになりますか?」

 

まったく畑違いの業種から介護の仕事へ転職する卒業生さんから、このような休日についての質問を受けることがよくあります。「公休」、「年間休日」、「希望休」など採用情報でよく見る言葉は、他の業種では見かけないものもあるのでその疑問も当然です。

 

そこで、1か月単位で見るとどのような勤務スケジュールで働いているのかなど、具体的な例も交えながら説明していきます。働き方のタイムスケジュールを自分の生活スタイルにも置き換えて読んでもらえると、介護の仕事の働き方がイメージしやすいのではないでしょうか。

 

介護職の休日のパターンについて

介護職は交代制で勤務しています。早番や日勤、遅番、夜勤というように勤務ごとに数時間ずつ出勤時間がずれていることで、途切れることなくサービスを提供できるようになっています。

 

曜日ごとの休日については、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームなどのご利用者さんが24時間365日利用している施設系サービスでは、ゴールデンウイークなどの大型連休や祝日、土日なども止まることなく営業しています。そのため、職員は交代で休日を取っています。

 

逆に、デイサービスやデイケアなどの通いのサービスでは、その事業所ごとで土日や日曜日のみなど定休日が異なります。定休日がある事業所では、もちろん定休日は休日となり、その他の日は交代で休みを取ります。

 

休日の数について

次に、公休とはその月の休日数のことを言います。特別養護老人ホームなどの施設系サービスであれば、月に8日~10日、デイサービスなどの通いのサービスであれば月に8日~9日といったところが多いと思います。

 

また公休以外にも、夏季休暇や冬期休暇、リフレッシュ休暇などその事業所独自の休暇制度がある場合があります。そして、それらの休日数を1年間分合算した日数が、年間休日です。介護仕事百景に掲載中の町田市内にある施設系サービスの年間休日は、110日~126日と事業所によってばらつきがあります。

 

特定の日にお休みが欲しい時には

用事があるなど翌月の特定の日にお休みが欲しい時には、希望休を利用します。たとえば、翌月(6月)の特定の日にお休みが欲しいときには、前月(5月)の初旬ごろにその旨をシフト作成者に伝えます。およそ、前月(5月)の下旬には翌月(6月)分のシフトは完成し、配布されます。

 

正規職員(常勤職員)の場合、公休のうち何日を希望休として特定の日に休めるのかは、事業所ごとによって異なり、2日~3日が多いです。非常勤職員(パート、アルバイト)の場合は、平日のみの勤務、月曜日と木曜日だけ勤務というように、雇用契約の段階で休日を指定していたり、事業所と個々の職員間で柔軟に決めている場合が多いです。

 

シフト勤務のスケジュール例

特別養護老人ホームなどの施設系サービスで正規職員(常勤職員)として働いた場合、新人職員であるうちは特定の勤務帯のみを数日間連続して入り、業務を覚えていきます。その後、すべての勤務帯での業務ができるようになったころを目途に、さまざまな勤務帯で働くシフトに組み込まれていきます。

上の図は、16時間夜勤と8時間夜勤の場合に分けた、シフト勤務のスケジュール例です。(それぞれの夜勤の違いについては、こちらのブログをご参照ください)私が実際に勤めていた際の経験や、介護仕事百景に掲載している施設の担当者さんからのお話を基にしています。

 

パターンのルールとしては、早番(7時~16時など)、日勤(9時~18時など)、遅番(11時~20時または13時~22時など)、夜勤(17時~翌10時または、22時~翌7時など)というように、出勤時間が段々と遅くなっていくように組まれていることが多いです。

 

遅番で20時や22時などに勤務が終わって、翌日が早番だとすると、7時には出勤になってしまい、あまり休めた気がしないかもしれません。そのため、十分な休息が取れるように、徐々に出勤時間を遅くしていく組み方がオーソドックスになっています。

 

とはいえ、あくまで例ですので、一時的に職員人数が足りなかったり、前述の希望休が重なってしまって苦渋の組み方になってしまったり、例通りにはいかないこともあります。

 

30日のうち、8日~10日の公休と考えると、2連休ぐらいであれば問題なく取れますし、それが土日にあたることも珍しくありません。数年前に特別養護老人ホームで勤務していた時は、公休と夏季休暇を合わせて4連休を取って、旅行にも行っていました。平日の連休はホテルや飛行機代も安く済みますし、観光地は空いているし、あえて土日に休む必要はないなと当時思っていました。

 

ただし、世間が何日も連休を取るゴールデンウイークや年末年始に同じようにまとめて休むのは、少し難しかったのも事実です。休みたい気持ちは皆同じなので、譲り合って、順番に休むことになります。

 

こうして見てみると、「5連勤があるのかぁ…」とびっくりする方もいると思いますが、夜勤を含めた5連勤と夜勤なしの5連勤だと疲労感が全く違うというのが介護士あるあるです。一見、夜勤含め5連勤の方が大変そうに見えますが、圧倒的に夜勤なし5連勤の方が私は苦手でした。これは単に私が夜勤好きだからといったことではなく、一緒に働いていた先輩職員も同じように口にしていたので、比較的多い意見だと思います。

 

その理由は、すべてのご利用者さんが活動している日中の時間の勤務と、基本的にご利用者さんが就寝している夜間の時間の勤務とでは身体的、精神的疲労感が違うためだと思います。

 

休日が多いことはもちろん一つの魅力ではありますが、お給料を月収で比べるのではなく年収にして比較するのと同じように、総合的に比べてみることが大切です。職場の環境や教育体制など、数値にしづらい情報も踏まえて比べてみるということですね。

 

ちなみに、施設見学や面接の際、休日についての質問をためらう方もいますが、分からないことは尋ねて問題ありません。担当者の手元にシフト表があれば、実際のシフト表も見せてもらいながら、説明してもらえる場合もありますよ。(影山)